生体の科学42巻2号

1991年04月発行

特集 脳の移植と再生

分散胎児脳の移植と再生

著者： 加茂久樹¹ 重松一生²³ 秋口一郎²

所属機関： ¹医仁会武田総合病院神経内科 ²京都大学医学部神経内科 ³

ページ範囲：P.131 - P.135

　神経移植法には，ドナーの面から大きく分けて2種類の方法がある（図1）。胎児脳の，ある特定の部位を一定の大きさに切って，そのまま移植する方法（移植片移植法）と，移植片をさらにトリプシンやパパインなどで処理することにより細胞をばらばらに分離分散させて懸濁（浮遊）液として宿主脳に注入する方法（分離あるいは分散細胞移植法，cell suspension method）である。