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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻2号

1991年04月発行

文献概要

連載講座 新しい観点からみた器官

膵臓―内分泌部と外分泌部のキメラ

著者: 坂本長逸1 横野浩一1 春日雅人1

所属機関: 1神戸大学医学部第二内科

ページ範囲:P.141 - P.147

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 1869年,ドイツの若い医学生Paul Langerhansによって発見された膵ランゲルハンス島(膵ラ島)は,文字どおり膵外分泌腺の中に島状に散在する内分泌細胞の集団である。この内分泌部分と外分泌部分がキメラをなしていることが膵という臓器の最大の特徴と考えられている。興味あることに,膵の微小循環をみると,ランゲルハンス島は外分泌部の上流に位置し,島を流れた血液が膵島膵房門脈(insuloacinar portal vessels)と呼ばれる小血管によって外分泌部に運ばれることが報告されている1)。したがって,内分泌部と外分泌部は単に混在しているだけでなく,機能的に連関している可能性が存在するわけである。本稿では,この膵内・外分泌相関に簡単に触れた後,膵外分泌腺に関して急性膵炎あるいは慢性膵炎との関連から言及したい。最後に,ランゲルハンス島に関して,インスリン依存型糖尿病の発症機構の面から述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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