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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻3号

1991年06月発行

文献概要

特集 ペルオキシソーム/最近の進歩

ペルオキシソーム酵素SPT(の発現調節)と原発性高シュウ酸尿症

著者: 市山新1 西山孝三1 船井恒嘉1 小田敏明1

所属機関: 1浜松医科大学生化学第一

ページ範囲:P.184 - P.188

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 原発性高シュウ酸尿症(Primary hyperoxaluria type 1,PH1と略)は,グリオキシル酸(シュウ酸の直接の前駆体)の代謝異常に基づくシュウ酸の過剰生産を本態とする先天性代謝異常症である。生化学的にはシュウ酸とともに多量のグリコールが尿中に排泄されることが特徴であり,臨床的には水に難溶なシュウ酸カルシウムによる再発性腎結石,腎石灰化症などを起こす。現時点では肝臓移植あるいは肝臓・腎臓移植以外には姑息的な治療法しかなく,早晩腎不全となることが多いので,予後は悪いとされている1,2)
 グリオキシル酸は尿中シュウ酸排泄量(成人で約0.35mmol/d)よりもはるかに過剰に(ヒトで2~8mmol/d)生産されているらしい3)。したがって,動物がシュウ酸結石症を病むことなく生きて行くためには,グリオキシル酸を効率よく他に代謝する酵素か,いわゆるcalcium oxalate crystal growth inhibiting substance(s)4)のいずれか,または両方が必要と考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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