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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻3号

1991年06月発行

特集 ペルオキシソーム/最近の進歩

ペルオキシソームのアラニン:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ

著者: 野口知雄1 藤原智子1 林寿恵子1 櫻庭春彦1

所属機関: 1九州歯科大学生化学教室

ページ範囲:P.189 - P.193

文献概要

 ペルオキシソームは,ラット肝臓では一群の抗脂血剤を投与すると著しく増殖するという興味深い性質を示すにもかかわらず,生理的に意義のないオルガネラであり,原始呼吸に寄与していた酵素群が残存している化石顆粒だと考えられていた1)
 ところが,1976年Lazarowとde Duve2,3)によって脂肪酸のβ-酸化系がラット肝臓において,ミトコンドリアの他にペルオキシソームにも存在し,その活性が抗脂血剤の投与によって著しく上昇することが明らかにされ,ペルオキシソームの機能が脚光をあびだ。そのため,動物のペルオキシソームに関しては,主に脂質代謝との関連で研究が進められてきた4-9)。しかし,動物のペルオキシソームは脂質代謝の他にも重要な役割を演じている。著者らはLazarowらと時を同じくして,動物のペルオキシソームがアミノ酸10),グリオキシル酸9),核酸塩基の代謝11-14)にも重要な役割を演じていることを明らかにしてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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