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特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
ペルオキシソーム酵素ウリカーゼの遺伝子構造
著者: 伊藤正樹1
所属機関: 1佐賀医科大学生物学教室
ページ範囲:P.194 - P.197
文献購入ページに移動 ペルオキシソーム酵素ウリカーゼの遺伝子が研究の対象として関心をもたれるのは,次の4点による。①ペルオキシソームに局在する酸化酵素として,局在化シグナルや活性中心などの機能部位と構造との関連。②ウリカーゼ活性をもつラットでは肝臓に強い活性があり,臓器特異的発現調節がみられている。③ウリカーゼを含め尿酸分解系酵素群は高等動物ほど脱落しており,進化の過程で遺伝子の不活性化が起きていることが示唆されている。④Lesch-Nyhan症候群の原因酵素であるヒポキサンチンーグアニンホスホリボシルトランスフェラーゼの変異遺伝子をマウスに導入しても,発症がみられない1)。したがって,ヒトにおけるLesch-Nyhan症候群などの高尿酸血症の発症とウリカーゼ活性の脱落との関連が考えられる。
そこで,本項においては,今後これらの課題の解決にむかう基礎として,今日までに知られているウリカーゼ遺伝子の構造に関する知見を紹介する。
そこで,本項においては,今後これらの課題の解決にむかう基礎として,今日までに知られているウリカーゼ遺伝子の構造に関する知見を紹介する。
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