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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻3号

1991年06月発行

文献概要

解説

ミトコンドリア蛋白質の輸入装置

著者: 斧秀勇1 坪井昭三1

所属機関: 1山形大学医学部生化学第一講座

ページ範囲:P.219 - P.226

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 ほとんどすべてのミトコンドリア構成蛋白質は,核の遺伝子にコードされ,細胞質の遊離型ポリゾームで合成される。また,それらは一部の例外を除き,N末端にミトコンドリアへのターゲッティングシグナルの機能を持つペプチド(分子量数千,延長ペプチドまたはプレシークエンスと呼ばれる)を持つことも明らかにされている1,2)。細胞質で合成されたミトコンドリア蛋白質前駆体は,それぞれミトコンドリア内のそれらが定着すべき場所に輸送されなければならない。近年このミトコンドリア蛋白質の輸送機構を解明するための研究がわが国を始め各国の多くの研究室で活発に行われており,その複雑な分子機構も徐々に明らかにされつつある。ことに最近になって,ミトコンドリア蛋白質前駆体の輸送過程に関与する様々な因子が同定されるとともに,それらの機能,役割の解析も開始されている。本稿では,われわれの研究室で得られた結果を中心に,前記輸送過程に関与する諸因子についてこれまでに知られているところを解説してみたい(図1)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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