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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻3号

1991年06月発行

話題

ペルオキシソーム病モデル細胞を用いたヒト病因遺伝子の解明―疾患遺伝子治療を目指して

著者: 下澤伸行12 塚本利朗3 鈴木康之1 折居忠夫1 藤木幸夫2

所属機関: 1岐阜大学医学部小児科 2明治乳業ヘルスサイエンス研究所分子細胞生物 3姫路工業大学理学部生命科学科

ページ範囲:P.234 - P.236

文献概要

 Zellweger症候群に代表されるペルオキシソーム欠損性疾患群の一次的病因については未だ解明されていないが,その病因因子を明らかにする上で,ペルオキシソーム生合成過程に異常を示す変異細胞を用いることは非常に有用と考えられる。たとえば,DNA修復機構に異常をもつヒト色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum,XP)のB群においては,同じ相補性を示すチャイニーズハムスター卵巣(CHO)変異細胞を用いることにより,ヒトDNA修復遺伝子がクローニングされ,B群XPの病因遺伝子であることが証明されている1)
 筆者らは,すでにCHO細胞より相補性群を異にする三つのペルオキシソーム欠損変異細胞(Z24, Z65,ZP92)を分離し,このうちZ65においてペルオキシソームを形成させる遺伝子のクローニングにも成功している(本号特集,塚本らの項参照)。一方,ヒトのペルオキシソーム欠損性疾患群におしても,細胞融合法による遺伝学的異質性の検討により,本邦2)および米国Johns Hopkins大学グループによる分類3)を併せて少なくとも8つの相補性群が存在する(表1)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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