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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻4号

1991年08月発行

文献概要

特集 開口分泌の細胞内過程

分泌蛋白質のプロセシング

著者: 劉雲才1 竹内利行1

所属機関: 1群馬大学内分泌研究所化学構造部門

ページ範囲:P.268 - P.271

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 ペプチドホルモン,血液凝固因子,増殖因子など分泌蛋白質の生合成は,核内でそれらをコードするDNA遺伝子がRNAポリメラーゼによってmRNA前駆体に転写されることによって始まる。このmRNA前駆体は,成熟mRNAをコードするエクソン部分と,エクソン間を埋めるイントロン部分から成り,イントロン部分が除去され,エクソン部分がつなぎ合わさって(スプライシング)成熟したmRNAになる。核内で生合成されたmRNAは細胞質に輸送され,リポソームと接着し,分泌蛋白質のアミノ(N)末端側からシグナルペプチドが合成される。シグナルペプチドはシグナルペプチド認識顆粒(Signal peptide Recognition Particle=SRP)と結合し,mRNA-SRP複合体が小胞体の細胞質側にあるSRPリセプターと結合し,小胞体膜にドッキングする。分泌蛋白質は,シグナルペプチドを先頭にして小胞体膜を貫通し,小胞体内腔に入り込む。シグナルペプチドは小胞体腔表面にある酵素(シグナルペプチダーゼ)によりただちに切断をうけ,分泌蛋白質前駆体は小胞体からゴルジ複合体へと転送される。ゴルジ複合体はシス,メディアル,トランスの三区画に分けられ,分泌蛋白質前駆体はシス側から順次トランス側に移動する。トランス側ゴルジ体から細胞外へ分泌蛋白質が輸送される経路は二つある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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