icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻4号

1991年08月発行

文献概要

特集 開口分泌の細胞内過程

分泌とシグナル伝達―細胞外ATP作用を中心に

著者: 岡島史和1

所属機関: 1群馬大学内分泌研究所物理化学部門

ページ範囲:P.281 - P.287

文献購入ページに移動
 エキソサイトーシスに細胞内Ca2+が重要な役割を担っていることは周知の事実である。したがってエキソサイトーシスのシグナル伝達機構の研究も細胞内Ca2+を中心にその濃度の制御機構とその作用点の解析といった形で進められてきた。Ca2+は他の多くの生命現象とも深く関わっており,その制御機構の研究はエキソサイトーシスの研究に限らず細胞生物学全般の興味の対象としてこれまでに研究されてきている。その結果,細胞内Ca2+プールからのCa2+動員と深く関わっているイノシトールリン脂質代謝系の調節機構,細胞外Ca2+の細胞内への流入機構(各種Ca2+,チャネルの同定およびその制御機構)が次第に明らかにされつつある1)。一方,エキソサイトーシスに関わるCa2+の作用点として分泌顆粒膜上の多くのCa2+制御タンパクが同定されている2)。その中でCa2+の標的酵素であるホスホリパーゼA2生成産物,アラキドン酸代謝物質の分泌顆粒膜―細胞膜融合への関与など興味深い知見3)も得られている。細胞内Ca2+以外の多くの要因,たとえばAキナーゼ,Cキナーゼの関与も重要である。また最近になって各種GTP結合タンパクの関与も示唆されるようになった4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら