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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅰ.レセプターに作用する薬物

ヒスタミン受容体

著者: 福井裕行1 和田博1

所属機関: 1大阪大学医学部第二薬理学教室

ページ範囲:P.375 - P.379

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 「概説」
 1.ヒスタミンH1-受容体とそれに作用する薬物
 H1-受容体は平滑筋(血管,小腸,気道,子宮,輸精管,膀胱など),血管内皮細胞,副腎髄質,心臓,ある種の血球細胞,中枢神経系に存在し,平滑筋の収縮,終静脈の収縮による毛細血管の透過性亢進,血管内皮依存性弛緩因子の遊離,カテコラミン遊離などのH1-受容体を介した作用が知られる1-4)。ホスホリパーゼCと協調し,H1-受容体の刺激によりイノシトールリン酸の蓄積が起こり,細胞内のCa2+濃度の上昇が引き起こされる2,3)。H1-作動薬はヒスタミンの数%の効力しかなく,また,特異性もH1-拮抗薬に比べて低い4)。H1-拮抗薬は多数開発され,ethanolamine型,ethylenediamine型,alkylamine型,phenothiazine型,piperazine型およびその他に分類される4,5)。H1-受容体に対する親和性はヒスタミンに比べて1,000~10,000倍高い。H1-拮抗薬は種々のアレルギー性疾患(蕁麻疹,アレルギー性鼻炎,花粉症)の治療に用いられる。H1―拮抗薬の副作用として鎮静作用(眠気)がよく知られているが,非鎮静性H1-拮抗薬が多数開発されている6)。H1-受容体の標識には[3H]mepyramine(pyliramine)結合試験が用いられる7)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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