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特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅰ.レセプターに作用する薬物
シグマ(σ)受容体
著者: 藤田道也1
所属機関: 1浜松医科大学生化学第2講座
ページ範囲:P.395 - P.397
文献購入ページに移動もとはオピオイド受容体の仲間に入れられていた本受容体は研究が進むにつれて独立した受容体と考えたほうがよいことが分かってきた。その大きな理由はμ,δ,κ受容体が共通してnaloxoneによってブロックされるのに,σ受容体だけがブロックされないからである1)。σ受容体(またはσ結合部位binding-site)という命名はMartinら2)が示唆した命名法(σは最初にこの受容体に対して用いられたSKF 10,047の頭文字を意味する)を踏襲している。
ヒトでσ受容体の密度がもっとも高いのは小脳,nucleus accumbens,大脳皮質などである。autopsyでえられたヒト小脳のσ受容体は単一タイプで,Kd=0.95±0.12nM, Bmax=358±13fmol/mgタンパク質である19)。
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