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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

特集 神経系に作用する薬物マニュアル

Ⅰ.レセプターに作用する薬物

タキキニン受容体

著者: 鈴木秀典1 大塚正徳1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.399 - P.402

文献概要

 「概説」
 1.タキキニン受容体
 タキキニン受容体は現在NK1,NK2,NK3型の3種に分類され,内因性ペプチドであるsubstance P(SP),neurokinin A(NKA),neurokinin B(NKB)がそれぞれに対し高い親和性を持つ(表1)。近年,中西らのグループは,電気生理学を組み合わせた遺伝子クローニングの手法を用いて,これら3種の受容体の一次構造をすべて明らかにした1-3)。これによるとタキキニン受容体は7個の膜貫通領域を持ち,細胞外にあるN末側に糖付着部位,細胞内にあるC末側にリン酸結合部位となりうる多くのセリン,スレオニンを含んでいる。すなわちG蛋白共役型受容体ファミリーに属することがわかった。三つの受容体の間の相同性は高く,とくに膜貫通領域および膜近旁の細胞内部分がよく保存されている(54~66%)(図1)。
 アフリカツメガエル卵母細胞に発現させたタキキニン受容体に対する内因性タキキニンのEC50を表1に示す。同様の効力順位がそれぞれの受容体を発現させた培養細胞を用いたリガンド結合試験でも得られている4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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