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特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅱ.チャネルに作用する薬物
細胞内Ca放出チャネル:CaによるCa放出チャネル・IP3受容体チャネル
著者: 飯野正光1
所属機関: 1東京大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.414 - P.415
文献購入ページに移動CaによるCa放出チャネル(CICRチャネル,ライァノジン受容体)
「概説」
この機構は骨格筋小胞体においてCa自身がCa放出(Ca-induced Ca release,CICR)を起こすことで最初に発見された1)。ライアノジンという植物アルカロイドをマーカーとして蛋白質が単離された2)ため,ライアノジン受容体と呼ばれることがある。cDNAクローンから一次構造が決定されており3),C端付近にチャネルを形成すると見られる膜貫通部が存在すると予想されている。分子量約56万の蛋白質で4量体としてチャネルを形成する。このCa放出機構の性質は分離筋小胞体標本やスキンドファイバーを用いて詳しく調べられた1)が,最近は人工膜に埋め込んで単一チャネルレベルの研究も可能になった4)。μM以上のCa2+によってこの機構は活性化され,ATPなどのアデニンヌクレオチドが促進作用を持つが,Mg2+とH+およびcalmodulinは抑制的に働く。
横紋筋では横管系と筋小胞体の接合部分に存在し,興奮収縮連関に関与すると考えられているが,その詳しい機構についてはまだ明らかにされていない。骨格筋と心筋のチャネルは高い相同性があるが別の蛋白である。平滑筋と神経細胞にも存在することが示されているが,横紋筋のチャネルとの異同については現在研究が進められているところである。
「概説」
この機構は骨格筋小胞体においてCa自身がCa放出(Ca-induced Ca release,CICR)を起こすことで最初に発見された1)。ライアノジンという植物アルカロイドをマーカーとして蛋白質が単離された2)ため,ライアノジン受容体と呼ばれることがある。cDNAクローンから一次構造が決定されており3),C端付近にチャネルを形成すると見られる膜貫通部が存在すると予想されている。分子量約56万の蛋白質で4量体としてチャネルを形成する。このCa放出機構の性質は分離筋小胞体標本やスキンドファイバーを用いて詳しく調べられた1)が,最近は人工膜に埋め込んで単一チャネルレベルの研究も可能になった4)。μM以上のCa2+によってこの機構は活性化され,ATPなどのアデニンヌクレオチドが促進作用を持つが,Mg2+とH+およびcalmodulinは抑制的に働く。
横紋筋では横管系と筋小胞体の接合部分に存在し,興奮収縮連関に関与すると考えられているが,その詳しい機構についてはまだ明らかにされていない。骨格筋と心筋のチャネルは高い相同性があるが別の蛋白である。平滑筋と神経細胞にも存在することが示されているが,横紋筋のチャネルとの異同については現在研究が進められているところである。
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