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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅱ.チャネルに作用する薬物

オープンチャネル

著者: 石田美知子1 篠崎温彦1

所属機関: 1(財)東京都臨床医学総合研究所・薬理

ページ範囲:P.416 - P.417

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 「概説」
 ある種の局所麻酔薬が,シナプス電流の最大振幅をほとんど変えずにその減衰を速めるとか,あるいは初期の早い成分とそれに続く遅い成分の二つのcomponent(二相性)をもつようにするなど,競合的拮抗やいわゆる古典的な非競合的拮抗などの理論では説明できない現象1,2)が観察されるにおよび,いろいろな仮説が提唱された.最初,アセチルコリン受容体はNaチャネルとKチャネルを別々に持ち,プロカイン,リドカインなどの局所麻酔薬はこれらのチャネルに対して別々に作用する結果であるという仮説が提案されたが,実証することはできなかった。そこで登場したのが,オープンチャネルブロックの考え方である3)。これはアゴニストの作用によりイオンが通過するチャネルが開かれるが,いわば瓶の穴のコルク栓のように薬物分子自身によってチャネルが栓をされてしまうというものである。電気生理学的に観察される現象としては,アゴニストによる受容体の脱感作(desensitization)に良く似ている。この考え方はシナプスにおけるいろいろの薬物作用機作を説明するのに魅力的なモデルであり,いままで説明困難であった薬物の作用機序の多くがこのモデルにより説明可能になった。チャネルブロックは次式のように説明されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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