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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅱ.チャネルに作用する薬物

K-チャネル

著者: 赤須崇1 時政孝行1

所属機関: 1久留米大学医学部生理学第二講座

ページ範囲:P.420 - P.423

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 K-チャネルはNa-チャネルと並んでもっとも普遍的なイオンチャネルであるが,その多岐にわたる性質の違いから,現在少なくとも10種類に近い数に分類されており,それぞれのタイプにはさらにいくつかのサブタイプが存在する。これらのK-チャネルの薬理学的性質の同定には,天然毒素の発見や合成阻害剤および活性化剤の開発によるところが大である。これに加えて,近年の研究方法の著しい発展は単一イオンチャネル電流の測定を可能とし,その結果,電気生理学的性質の面からもK-チャネルの多様性を論じることが可能になってきた1,2)
 最近のK-チャネルについての話題の一つは,伝達物質によるチャネルの制御と,受容体とチャネルの間にあって情報伝達(シグナル・トランスダクション)を行う種々の細胞内(もしくは膜内)の代謝過程の関わり合いであろう。とくに,GTP結合蛋白を介したアデニレートサイクレースやイノシトールリン酸代謝が,K-チャネルを制御する機構の一つとして注目されている3)。ここでは主に神経のK-チャネルに直接作用する薬物に焦点をあてて,最近の研究成果を紹介するとともに,伝達物質の作用についても最近の知見をまとめてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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