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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅲ.代謝的に作用する薬物 トランスミッターの放出・取り込みに作用する薬物

ノルアドレナリン

著者: 高柳一成1 佐藤光利1

所属機関: 1東邦大学薬学部薬理学教室

ページ範囲:P.441 - P.444

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 「概説」
 アドレナリン作動性神経は他の神経同様,興奮を伝達するために神経の脱分極によりCa2+が神経細胞内へ流入し,これによってノルアドレナリン(NA)が遊離される。NAの放出量は電位依存性のL型Ca2+チャネルを通って流入したCa2+量に依存している。また,NA遊離機構はαおよびβアドレノセプター(アドレナリン受容体)さらにアデノシン受容体あるいは細胞内サイクリックAMP(cAMP)などのセカンドメッセンジャーによって制御されている。
 一方,アドレナリン作動性神経の興奮によって放出されたNAは,モノアミンオキシダーゼ(MAO)やカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)によって代謝を受けるかあるいはアドレナリン神経に再度取り込まれるかして不活性化される。このNAの取り込みにはエネルギーとしてATPが必要でNaに感受性であることからキャリアの存在が示唆され,キャリア説が支持されている1)。最近,ヒトNAトランスポーター蛋白のアミノ酸配列がR. D. Blakelyらにより解明された2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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