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特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅲ.代謝的に作用する薬物 トランスミッターの放出・取り込みに作用する薬物
セロトニン
著者: 山本経之1
所属機関: 1九州大学薬学部薬理学教室
ページ範囲:P.447 - P.448
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セロトニン(5-HT)の脳における存在は,Twarog & Pageによって明らかにされた。この発見を契機に脳内における神経伝達物質としてのセロトニンの生理的役割およびその欠損に伴う病態が明らかにされてきた。一般に,伝達物質は神経インパルスに応じて神経終末部から遊離されたのち,一部は受容体に作用するが,他の大部分(約80%)は再び終末部に取り込まれる。この機構を再取り込み機構といい,伝達物質の不活性化に酵素的分解以上の役割を演じている1)。これは能動輸送形態をとり,代謝過程を調節する重要な機構である1)。ラットの脳シナプトソームを用いて測定した[3H]5-HTの取り込みのKm(親和性)およびVmax(密度)値は,いずれも辺縁系-線条体が大脳皮質,間脳および下位脳幹のそれよりも高い。
本項ではセロトニンの神経終末部での遊離および取り込み機構に影響をおよぼす薬物をあげ概説した。
セロトニン(5-HT)の脳における存在は,Twarog & Pageによって明らかにされた。この発見を契機に脳内における神経伝達物質としてのセロトニンの生理的役割およびその欠損に伴う病態が明らかにされてきた。一般に,伝達物質は神経インパルスに応じて神経終末部から遊離されたのち,一部は受容体に作用するが,他の大部分(約80%)は再び終末部に取り込まれる。この機構を再取り込み機構といい,伝達物質の不活性化に酵素的分解以上の役割を演じている1)。これは能動輸送形態をとり,代謝過程を調節する重要な機構である1)。ラットの脳シナプトソームを用いて測定した[3H]5-HTの取り込みのKm(親和性)およびVmax(密度)値は,いずれも辺縁系-線条体が大脳皮質,間脳および下位脳幹のそれよりも高い。
本項ではセロトニンの神経終末部での遊離および取り込み機構に影響をおよぼす薬物をあげ概説した。
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