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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅲ.代謝的に作用する薬物 酵素活性に影響する薬物

エンケファリナーゼ阻害薬

著者: 佐藤公道1

所属機関: 1京都大学薬学部薬理学教室

ページ範囲:P.464 - P.465

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 「概説」
 オピオイド受容体の内因性活性物質として最初に発見された2種のペンタペプチド,メチオニン-およびロイシン-エンケファリンは生体内の諸組織においてきわめて迅速に代謝・不活性化される。この代謝に関与する酵素として,図1に示すような数種の酵素が知られている1)。エンケファリンからTyr-Gly-Glyを切り出すエンケファリナーゼは,脳組織から見出された膜結合性の亜鉛含有中性メタロエンドペプチダーゼの一種であるが,ウサギ腎膜画分から見出されていた類似の性質を持つ酵素EC 3.4.24.11と同一であることが明らかにされた2)。本酵素の基質特異性は比較的高く,ダイノルフィン類やβ-エンドルフィンなどは基質にならないが,心房性ナトリウム利尿ペプチド,サブスタンスPはin vitroではかなり良い基質である。
 最近,ラット・ウサギ・ヒトのエンケファリナーゼ分子のクローニングが行われ,742残基アミノ酸の一次構造が明らかにされた。それによると一つの膜貫通ドメインと六つの糖鎖結合部位を持ち,分子の大部分が細胞外に存在するエクトペプチダーゼ(ectopeptidase)である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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