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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

特集 神経系に作用する薬物マニュアル

Ⅲ.代謝的に作用する薬物 酵素活性に影響する薬物

プロテインキナーゼ

著者: 宮本英七1

所属機関: 1熊本大学医学部第一薬理学教室

ページ範囲:P.468 - P.471

文献概要

 「概説」
 蛋白質リン酸化反応は,蛋白質修飾の1種である。数十種にのぼる基質蛋白質がリン酸化-脱リン酸化反応によって制御されている。これらの蛋白質の中には,酵素,イオンチャネル,受容体などの機能蛋白質,微小管蛋白質などの細胞骨格蛋白質のような構造蛋白質が含まれている。それぞれの基質蛋白質のリン酸化反応によって,多岐にわたる細胞機能が調節されている。リン酸化反応を触媒する酵素はプロテインキナーゼであり,数十種にのぼる1)。細胞刺激に伴って細胞内に産生されるセカンドメッセンジャーによって活性化されるプロテインキナーゼ,基質蛋白質の名を冠して命名されている酵素があり,セリン,スレオニン残基をリン酸化する。一方,チロシン残基をリン酸化するプロテインキナーゼとして,細胞増殖因子受容体,原がん遺伝子,がん遺伝子の産物,広く組織に分布している酵素などがある。プロテインキナーゼ活性化薬および阻害薬2)を用いることにより,それぞれのプロテインキナーゼの関与する細胞機能を特定することができる。逆に,ある一定の細胞機能に,いずれのプロテインキナーゼが関与しているかを調べることができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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