文献詳細
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅲ.代謝的に作用する薬物 酵素活性に影響する薬物
文献概要
「概説」
チロシンヒドロキシラーゼによるチロシンの水酸化反応のステップはドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの生合成の第一段階であり,かつ律速段階であると認められている。本酵素は酵素的リン酸化による活性化や,生成産物(ノルアドレナリンなど)によるフィードバック阻害をうけるなど典型的な調節酵素である。その局在部位はカテコールアミン産生細胞とそれに由来する神経終末であることから,カテコールアミン産生細胞に対する特異的神経毒である6-hydroxydopamine(6HDA)は結果的にチロシンヒドロキシラーゼを低下させる。チロシンヒドロキシラーゼの部分精製標品を用いた最初の包括的な報告1)の中ですでにもっとも強力な阻害剤としてα-methyltyrosineが登場する。酵素に対するin vitroの阻害剤がそのままin vivo投与で有効であるとは限らないが,このα-methyl-p-tyrosineについてはすぐにそのin vivoにおけるカテコールアミン合成のブロックに有効であることが示され2),それ以来28年を経た今日でももっとも広範に用いられている。
チロシンヒドロキシラーゼによるチロシンの水酸化反応のステップはドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの生合成の第一段階であり,かつ律速段階であると認められている。本酵素は酵素的リン酸化による活性化や,生成産物(ノルアドレナリンなど)によるフィードバック阻害をうけるなど典型的な調節酵素である。その局在部位はカテコールアミン産生細胞とそれに由来する神経終末であることから,カテコールアミン産生細胞に対する特異的神経毒である6-hydroxydopamine(6HDA)は結果的にチロシンヒドロキシラーゼを低下させる。チロシンヒドロキシラーゼの部分精製標品を用いた最初の包括的な報告1)の中ですでにもっとも強力な阻害剤としてα-methyltyrosineが登場する。酵素に対するin vitroの阻害剤がそのままin vivo投与で有効であるとは限らないが,このα-methyl-p-tyrosineについてはすぐにそのin vivoにおけるカテコールアミン合成のブロックに有効であることが示され2),それ以来28年を経た今日でももっとも広範に用いられている。
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