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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

特集 神経系に作用する薬物マニュアル

Ⅲ.代謝的に作用する薬物 酵素活性に影響する薬物

チロシンヒドロキシラーゼ(TH)

著者: 長谷川宏幸1

所属機関: 1西東京科学大学バイオサイエンス学科

ページ範囲:P.472 - P.472

文献概要

 「概説」
 チロシンヒドロキシラーゼによるチロシンの水酸化反応のステップはドーパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの生合成の第一段階であり,かつ律速段階であると認められている。本酵素は酵素的リン酸化による活性化や,生成産物(ノルアドレナリンなど)によるフィードバック阻害をうけるなど典型的な調節酵素である。その局在部位はカテコールアミン産生細胞とそれに由来する神経終末であることから,カテコールアミン産生細胞に対する特異的神経毒である6-hydroxydopamine(6HDA)は結果的にチロシンヒドロキシラーゼを低下させる。チロシンヒドロキシラーゼの部分精製標品を用いた最初の包括的な報告1)の中ですでにもっとも強力な阻害剤としてα-methyltyrosineが登場する。酵素に対するin vitroの阻害剤がそのままin vivo投与で有効であるとは限らないが,このα-methyl-p-tyrosineについてはすぐにそのin vivoにおけるカテコールアミン合成のブロックに有効であることが示され2),それ以来28年を経た今日でももっとも広範に用いられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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