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特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅲ.代謝的に作用する薬物 酵素活性に影響する薬物
ヒスチジンデカルボキシラーゼ
著者: 大石了三1
所属機関: 1岡山大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.475 - P.476
文献購入ページに移動EC 4.1.1.22。
ヒスチジンからヒスタミンを合成する酵素で,微生物から植物,動物組織にいたるまで広く分布する。基質特異性が非常に高い。ピリドキサルリン酸(PLP)を補酵素として含むが,微生物の酵素の中にはピルビン酸が補酵素として働き,PLPを必要としないものがある。いろいろな組織から精製されたヒスチジンデカルボキシラーゼはヒスチジン濃度が上昇すると至適pHが酸性に移動し(pH7.2→6.6),それに伴ってKmおよびVmax値は上昇する1)。
ラット胎児肝から精製されたものは分子量54,000サブユニットのdimerである2)。クローニングされたヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子がコードするタンパク質は655個のアミノ酸残基からなり,分子量73,450である。これは翻訳後プロセッシングを受けてヒスチジンデカルボキシラーゼサブユニットになるものと考えられる3)。
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