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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅲ.代謝的に作用する薬物 酵素活性に影響する薬物

ホスホポジエステラーゼ

著者: 宮本英七1

所属機関: 1熊本大学医学部第一薬理学教室

ページ範囲:P.477 - P.479

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 「概説」
 cyclic nucleotide phosphodiesterase(PDE)は,cAMP発見間もない,今から30年前に見出された。PDEは,cAMP,cGMPの分解酵素として,細胞機能に重要な役割を演じている。合成酵素であるアデニル酸シクラーゼ,グアニル酸シクラーゼの作用によって,増加したcAMP,cGMPの組織での蓄積を起こし,その作用を増強し,持続させる。その後の研究の進展により,5種のアイソエンザイムが確認されている1)(表1)。それぞれの酵素は,さらにサブクラスがあり,組織分布が異なっている。
 Ⅰ型(Ca2+-CaM-dependent PDE)はcAMP,cGMPを加水分解する。サブユニットの分子サイズが,脳,肺,平滑筋などで異なっている。Ca2+/CaMによって活性化される酵素である。Ⅱ型(cGMP-stimulated PDE)は,cAMP分解に対してcGMPが刺激効果を持ち,cAMP,cGMPの両方を分解する。Ⅲ型(cGMP-inhibited PDE)は,cAMP,cGMPの両方を分解し,cAMPの分解はcGMPによって阻害される。Ⅳ型(cAMP-specific PDE)は,cAMPを選択的に基質として利用する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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