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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻5号

1991年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅲ.代謝的に作用する薬物 代謝回転に作用する薬物

グルタミン酸減少剤

著者: 栗山欣弥1 中安博司1

所属機関: 1京都府立医科大学薬理学教室

ページ範囲:P.498 - P.498

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 グルタミン酸は通常,脳内にもっとも多量に存在するアミノ酸である。このグルタミン酸は血液―脳関門を通過し難いため,その大部分は脳内で生合成されると考えられている。グルタミン酸のような代謝回路の中心に位置する物質は多種多様な制御を受けており,その代謝調節は複雑であるが,神経伝達物質としての代謝に限定すると,この事情をかなり単純化できる。
 神経終末から遊離されたグルタミン酸は,シナプス前膜のほか,グリア細胞へも再取り込みされる。ここでグリアのみに局在するグルタミン合成酵素でグルタミンに変換された後,再び神経終末に輸送され,グルタミナーゼの作用によりグルタミン酸に再生される。このグルタミン酸―グルタミン回路はニューロンとグリアの代謝的相関という意味からも,重要視されている(図1)1)。一方,TCA回路を経由するグルコース由来のde novo回路も合成系の重要な部分となっている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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