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特集 神経系に作用する薬物マニュアル Ⅳ.臨床応用薬
パーキンソン病治療薬
著者: 小川紀雄1
所属機関: 1岡山大学医学部脳代謝研究施設
ページ範囲:P.537 - P.539
文献購入ページに移動中枢神経疾患の治療薬の中で,パーキンソン病治療薬はもっとも理論的に成功している。病態や治療薬を考える上ではシナプス部における神経伝達物質とレセプターの変化の把握が重要である。パーキンソン病の主病変は黒質-線条体のdopamine(DA)神経の変性脱落であるが,それ以外にも線条体での相対的なacetylcholine(ACh)系の機能亢進,さらには,陳旧例におけるdopamine-β-hydroxylase低下によるnoradrenaline(NA)の低下など多彩な生化学的変化が知られている。表1に作用機序による治療薬の分類をあげたが,パーキンソン病治療薬は生化学的変化を基礎に理論的に創薬されている。本病の薬物療法は,できるだけ効果をあげ副作用を少なくするために「低用量・多剤併用」が基本である1)。
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