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特集 細胞活動の日周リズム
ライソゾーム変動からみた網膜色素上皮細胞の日周リズム
著者: 齋藤多久馬1
所属機関: 1自治医科大学解剖学教室
ページ範囲:P.571 - P.578
文献購入ページに移動 光刺激の受容に働く網膜視細胞は,光刺激を電気活動に変換する動物にとって大変重要な感覚細胞である。この機能のため視細胞はきわめて分化した特殊な形態に進化し,核を含む細胞質から網膜の内側に伸びる突起の先端は双極細胞との間にシナプスを形成し,外側にはミトコンドリアや小胞体を豊富に含む内節が位置しており,これより結合線毛を介して外節に連なっている。外節には約95~100枚の円板膜が含まれ,各円板膜には10,000のロドプシン分子が含まれているものと推定されている。視細胞には桿状体細胞と錐状体細胞を区別するが,桿状体細胞の膜性円板は原形質膜から独立して重層しているのに対して,錐状体細胞では原形質膜との連続が保たれている点がとくに異なっている(図1)。
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