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文献詳細

雑誌文献

生体の科学42巻6号

1991年12月発行

文献概要

特集 細胞活動の日周リズム

腎臓,小腸酵素の食事性調節機構

著者: 今井圓裕1 野口民夫1 田中武彦1

所属機関: 1大阪大学医学部栄養学教室

ページ範囲:P.610 - P.613

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 摂食行動とは食物を摂取,消化,吸収することにより,生体維持のためのエネルギーを得ることが目的であるが,摂食量,摂食時間がたとえ不規則であっても生体のエネルギー代謝のホメオスターシスは維持される。たとえば,摂食後の過剰なエネルギーはグリコーゲンや脂肪として蓄積され,逆の場合には,グルコース,脂肪酸,アミノ酸などが,放出されることによりもっとも重要なエネルギー源である血中グルコースの値はほぼ一定に保たれる。このホメオスターシスの維持に大きな役割を果たしているのが様々な酵素である。より具体的にいえば,これらの酵素は絶食,飽食などの環境の変化に対応してその活性を変化させ,エネルギーの蓄積と放出,つまり糖代謝についていえば糖新生と解糖というまったく逆の代謝の流れを調節する。これらの調節過程には,ホルモン,自律神経,および,体内時計などの因子が複雑に関与している。
 本論文では,食事性の調節を受ける酵素のうちL型ピルビン酸キナーゼ,ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ,および小腸の二糖類消化酵素について最近の知見を交じえて述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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