文献詳細
解説
老化と吸収に関する最近の知見―形態的・生理的変化から小腸吸収上皮細胞の膜転送まで
著者: 花井洋行1 金子栄蔵1
所属機関: 1浜松医科大学第一内科
ページ範囲:P.639 - P.647
文献概要
老化に伴う小腸での各栄養素の消化吸収能の変化とその特質は十分に明らかにされていない。実験方法,種差により,また同じ種においても報告者により結果が一致しない場合も多い。ここでは老化に伴う小腸の形態的変化,cell kinetics,刷子縁膜酵素の変化についてふれ,他臓器との相関について述べるとともに糖質・アミノ酸・脂質の三大栄養素の小腸吸収における加齢による変化の知見を解説する。とくに老化におけるカルシウムホメオスターシスの異常は骨代謝,動脈硬化症,高血圧症と近年臨床的にも注目の領域であり,小腸でのCa2+吸収低下の機序に関して細胞膜,分子レベルでの変化について述べる。
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