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文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻1号

1992年02月発行

文献概要

連載講座 新しい観点からみた器官

胎盤―胎盤機能と胎児発育

著者: 森山郁子1 飯岡秀晃1 斎藤滋1 島本太香子1 一條元彦1

所属機関: 1奈良県立医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.67 - P.76

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 胎盤は母体と胎児間に存在し,妊娠維持や胎児発育に必要な物質を産生し,また一方栄養素の輸送器官である。さらに妊娠は移植免疫学的には一種の同種移植であり,胎盤は母体の直接攻撃を防ぎ,免疫抑制因子の巧妙なバランスの上に成り立っている。
 ヒト胎児は分娩までに3,000gに発育し,胎盤自身も発育して500gに達する。胎盤は胎児にとっては呼吸器,腎臓,肝臓,消化器の役割を備え,内分泌産生臓器でもある。この多彩な胎盤の機能を十分発揮するためには,絨毛間腔を絶えず,循環する300mlの母体血流と胎児絨毛組織の発達が重要な役割を果たしている。母児物質交換の場である胎児絨毛上皮細胞の総表面積は15m2もあり,テニスコートの1/2に相当する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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