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特集 大脳皮質発達の化学的側面
大脳皮質の発達とカテコールアミン合成細胞―チロシン水酸化酵素免疫反応性ニューロンの出生後変化を中心に
著者: 佐藤順一1
所属機関: 1東京都神経科学総合研究所臨床神経病理学研究部門
ページ範囲:P.104 - P.108
文献購入ページに移動 脳内のカテコールアミン合成細胞については脳幹,視床下部を中心とした分布が知られている。Hökfeltら1)は螢光免疫組織化学によりラット脳を検索し,網膜,視床下部,脳幹,上部頸髄にわたる20カ所のカテコールアミン系ニューロン群を明らかにした。これらはカテコールアミン代謝系の各段階での酵素であるチロシン水酸化酵素(TH),フェニールエタノールアミンN-メチル基転移酵素(PNMT),ドパミンβ水酸化酵素(DBH)のおのおのに対する免疫反応性により10カ所のドパミン系(THのみ陽性),7カ所のノルアドレナリン系(TH,PNMTが陽性),3カ所のアドレナリン系(三者とも陽性)に分類されている。
最近の免疫組織化学の方法論の発展によって,これらの部位以外でのカテコールアミン合成細胞の存在も知られてきており,その一つが左脳皮質ニューロンである。また齧歯類では大脳皮質を含めこれらのニューロン胞体内のTH免疫反応性が出生後の限られた時期に一過性の増加を示すことが確認されている。
最近の免疫組織化学の方法論の発展によって,これらの部位以外でのカテコールアミン合成細胞の存在も知られてきており,その一つが左脳皮質ニューロンである。また齧歯類では大脳皮質を含めこれらのニューロン胞体内のTH免疫反応性が出生後の限られた時期に一過性の増加を示すことが確認されている。
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