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特集 血管新生
血管網形成機序
著者: 樋田一徳1 海藤俊行1
所属機関: 1熊本大学医学部解剖学第二講座
ページ範囲:P.184 - P.193
文献購入ページに移動 微小血管網は,生体の各組織に対する栄養供給と物質交換という重要な役割を担い,器官固有の形態・機能を反映した特異的構築を示す。その血管網形成は,組織の分化,器官形成および機能発現に与るだけでなく,創傷治癒,炎症とその修復,新生物の発生と侵襲に際しても惹起される。そのため,微小血管網形成機序を解明することは,複雑かつ精巧な生命現象を理解する上で重要な意味を持つ。
本稿では,血管網形成機序を論ずるにあたり,まず現在に至るまでの形態学的研究の一連の流れを展望し1-29),ついで筆者らが用いてきた実験系を具体例に,とくに血管網の立体的形成機序に焦点をあて,概説してゆきたい。
本稿では,血管網形成機序を論ずるにあたり,まず現在に至るまでの形態学的研究の一連の流れを展望し1-29),ついで筆者らが用いてきた実験系を具体例に,とくに血管網の立体的形成機序に焦点をあて,概説してゆきたい。
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