icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻3号

1992年06月発行

文献概要

特集 血管新生

血管の可塑性

著者: 藤田尚男1 今田正人2

所属機関: 1塩野義製薬研究所 2日本大学医学部解剖学教室

ページ範囲:P.194 - P.200

文献購入ページに移動
 血管の可塑性について書くことを簡単に引きうけてしまった私は,〆切日が近づくにつれて,このような問題をとりあげる資格のないことを自覚し,悔いている。その理由は,私は血管についての専門家でないからである。今さら致し方ないので,甲状腺の毛細血管の形態が,腺の機能状態に応じて容易に変化することをわれわれが撮った写真によって示し,「血管には強い可塑性がある」ことを眼で認識していただくことにしたい。
 私が甲状腺の分布血管の構造が分泌機能に応じて変化することに関心をもつようになったのは,1970年(昭和45年)の暮に冬眠コウモリや,下垂体摘出ラットの甲状腺の毛細血管内皮の小孔(まど)(fenestrations)の数が減少していることに気づいてからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?