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特集 血管新生
文献概要
血管新生現象は胎仔の発育,黄体形成あるいは傷の修復など正常の過程において認められるほか,血管腫,固形腫瘍の増殖,腫瘍の転移,糖尿病性網膜症,乾癬症やリウマチ性関節症など種々の疾患の発症にも血管新生が不可欠であることから,血管誘導因子および血管新生抑制因子が注目されている。とくに血管内皮細胞増殖抑制因子は,in vivoにおいて血管新生阻害因子として作用する可能性がある。しかしin vitroで血管内皮細胞増殖抑制活性を発現してもin vivoでは血管新生を促進する因子もあるので,その作用機構は複雑である。本稿では主として培養血管内皮細胞に対するペプチド性増殖抑制囚子を中心として概観を試みたい。
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