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文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻3号

1992年06月発行

特集 血管新生

血管新生抑制ステロイドとラミニン

著者: 北川泰雄1 全焄1

所属機関: 1名古屋大学農学部生化学制御研究施設

ページ範囲:P.221 - P.226

文献概要

 血管の内壁は内皮細胞で裏打ちされており,外側にある基底膜がその極性単層構造を支えている。この基底膜は動脈では平滑筋多重層との,毛細血管では周辺の結合組織との仕切りにもなっている。内皮細胞は時に応じて遊走・増殖して血管内壁を更新・修復して創傷部位,脂肪組織や腫瘍形成組織に侵入して血管網を新生する。これには内皮細胞自体あるいは周辺細胞が分泌するラミニンやⅣ型コラーゲンが重要な働きをする。われわれは内皮細胞が2種類のラミニン複合体を合成し,その量比が血管新生抑制ステロイドによって変動することをウシ大動脈内皮細胞(BAEC)と肺動脈内皮細胞(CPAE)で明らかにした1)。これが見事に無駄を省いた「サブユニットすりかえ機構」によることも示した。ここでは,このステロイド作用を手がかりに血管新生におけるラミニンの役割を考えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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