文献詳細
連載講座 新しい観点からみた器官
文献概要
血管は心臓,リンパ管ともに脈管系を構成し,組織の代謝を維持して生体の機能的恒常性を保持するために不可欠である。“個体は血管とともに老いる”とも言われるように,血管の機能的,形態的異常は臓器,個体の機能的障害を招来することとなる。
主な血管の構成細胞は,内皮細胞と平滑筋細胞である。近年,これらの細胞培養が可能となり,また分子生物学の導入により,これらの細胞が種々の生物活性を有する物質を産生し,血管機能の維持,制御に積極的に関与していることが明らかとなりつつある。とりわけ血管内皮細胞の機能は,表1に示すように,血漿成分の透過性や血液凝固の制御のみならず,血管新生と組織修復,血管壁トーヌスの調節や炎症ならびに免疫反応の調節に関与している。このように,内皮細胞は血管壁細胞のみならず組織の多彩な機能を傍分泌(paracrine),自己分泌(autocrine)により細胞間相互の情報を伝達し合って微小環境を調節,制御している細胞であると言える。
主な血管の構成細胞は,内皮細胞と平滑筋細胞である。近年,これらの細胞培養が可能となり,また分子生物学の導入により,これらの細胞が種々の生物活性を有する物質を産生し,血管機能の維持,制御に積極的に関与していることが明らかとなりつつある。とりわけ血管内皮細胞の機能は,表1に示すように,血漿成分の透過性や血液凝固の制御のみならず,血管新生と組織修復,血管壁トーヌスの調節や炎症ならびに免疫反応の調節に関与している。このように,内皮細胞は血管壁細胞のみならず組織の多彩な機能を傍分泌(paracrine),自己分泌(autocrine)により細胞間相互の情報を伝達し合って微小環境を調節,制御している細胞であると言える。
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