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実験講座
文献概要
最近血管新生の制御に関する研究が盛んになってきているが,生体内の血管新生は複雑なためこれまで多くの血管新生モデル実験系が確立され利用されてきている。これまで良く用いられている方法は,大きく分けて,(ⅰ)培養血管内皮細胞のプロテアーゼ産生・遊走・増殖・管腔形成1,2)などを指標とするもの,(ⅱ)同じin vitroでありながら血管片の培養を行い,生体内とほぼ同じ様式で血管新生を行わせるいわば器官培養法的な手法3,4),(ⅲ) in vivoモデルとしてのニワトリ受精卵漿尿膜法5),ウサギ・ラットなどの角膜を用いる方法6)および動物皮下組織へのスポンジの導入法7,8)などである。これらには正確性,迅速性,定量性などの面からみて,おのおの長所・短所があり必要に応じて組み合わされて使用されることが多い。本稿で紹介するのはこの分類の(ⅱ)に相当するものでありin vitroで生体内の血管新生に近い状態を再現するために作製された実験モデル系である。
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