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運動と骨格筋の血管新生
著者: 大野秀樹1 山下均1 佐藤昇2 山本三毅夫3 石川睦男4
所属機関: 1防衛医科大学校衛生学 2日本グラクソ㈱筑波研究所分子薬理 3防衛医科大学校第2生化学 4旭川医科大学産婦人科
ページ範囲:P.244 - P.247
文献購入ページに移動一方,筋が肥大するには,酸素と栄養物の供給が不可欠であり,当然,血管新生を伴うはずである。実際,運動により活動筋の毛細管の密度が増し,筋の横断面に占める毛細管の面積も増加する3,4)。筋血流量も,トレーニングにより増大する5)。毛細管密度や筋線維1本当たりの毛細管数の増加は,毛細管間の距離が短くなると同時に,酸素拡散距離も小さくなったことを意味し,筋への酸素供給に非常に有利となる。さらにIngjer6)は,トレーニング効果は遅筋線維であるType Ⅰに顕著で,毛細管数とミトコンドリアの含有量に密接な関係があることを明らかにしている。しかし,運動トレーニングと血管新生の研究は,未だにこのような古典的なレベルに止まっており,筋肥大研究と比較してかなり遅れをとっていることは否定できない。
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