文献詳細
特集 細胞機能とリン酸化
海馬LTPとタンパク質のリン酸化(仮説)
著者: 原健一1 北嶋龍雄2
所属機関: 1山形大学工学部共通講座 2山形大学工学部電子情報工学科
ページ範囲:P.267 - P.271
文献概要
1973年,海馬体において,興奮性シナプスの入力線維束を短時間に高頻度刺激をすると,シナプスの伝達効率の促進が長時間持続する現象が発見された1)。この現象は長期増強(Long Term Potentiation)と呼ばれている。その後,LTPに関する多くの研究が行われてきた結果,最近では,海馬だけではなく,大脳辺縁系や新皮質,さらに末梢の神経系でもこのような現象が観測されている2,3)。
LTPは,シナプスの伝達効率の促進が長時間持続するのみならず,次の性質をもつことから,学習や記憶の基礎過程として注目されている。
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