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文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻4号

1992年08月発行

特集 細胞機能とリン酸化

光受容におけるリン酸化

著者: 深田吉孝1 小亀浩市1

所属機関: 1京都大学理学部生物物理学教室

ページ範囲:P.305 - P.311

文献概要

 視細胞に存在する光受容蛋白質ロドブシンは典型的な7回膜貫通型受容体であり,光を吸収すると三量体G蛋白質を活性化する。つまり視興奮の初期過程は,「受容体→G蛋白質→酵素(あるいはイオンチャネル)」という,生体に広く存在する細胞内情報伝達モチーフの一つのバリエーションである。さて,いったん光刺激によって興奮した視細胞は,続く刺激に備えて興奮を速やかに停止する必要があり,また,同じ刺激に対して順応(脱感作)するという特性をもつ。これらの過程には,ロドプシンのリン酸化が深く関与していることが明らかになってきた。これと同様に,内分泌系あるいは神経系における脱感作現象にも,受容体のリン酸化が重要な役割を果たしていると考えられている。ここでは,アドレナリン受容体などと比較しながら,光受容体ロドプシンのリン酸化反応とその生理的役割を中心に概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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