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実験講座
固定したニューロンの色素注入による標識
著者: 小島久幸1 E. G. ジョーンズ1
所属機関: 1理化学研究所フロンティア研究グループアルゴリズムチーム
ページ範囲:P.324 - P.329
文献購入ページに移動 大脳皮質の機能あるいは作動原理を説明するためには皮質下神経核から運ばれる一元的な情報の皮質内での処理の解明だけでは十分ではなく,大脳皮質が固有にもつ処理機構を解明する必要があると思われる1)。その基盤となる局所回路網は皮質内にある細胞の種類の多様性,投射の複雑さ2,3)から十分には描き尽くされていない。理想的には単一細胞レベルでのconvergenceとdivergenceが各細胞種でわかれば局所回路網の青写真は描けると思われる。そのためには特定の神経細胞がどのような細胞からどのくらいの入力を受け,またどのような細胞にどのくらいの出力を与えているのかを明らかにする必要があろう。
単一の神経細胞の形態をなるのには従来からGolgi法が用いられてきた。しかしどのような細胞が染色されるかはまったくの偶然に頼らなければならない。近年電気生理学的な手法を用い機能的特徴と形態を単一細胞レベルでin vivoおよびin vitroにおいて解析することが可能になった。細胞内に比較的巨大な分子である西洋ワサビペロキシダーゼ(MW:40.2k),小型分子のバイオサイチ(MW:372.5)ないしニューロビオチン(MW:322.8)あるいは螢光色素ルシファーイエロー(MW:457.3)やレクチンPHA-L(MW:115k)を電気泳動的ないし圧力で注入し,樹状突起さらには軸索突起を詳細に描きだせるようになった。
単一の神経細胞の形態をなるのには従来からGolgi法が用いられてきた。しかしどのような細胞が染色されるかはまったくの偶然に頼らなければならない。近年電気生理学的な手法を用い機能的特徴と形態を単一細胞レベルでin vivoおよびin vitroにおいて解析することが可能になった。細胞内に比較的巨大な分子である西洋ワサビペロキシダーゼ(MW:40.2k),小型分子のバイオサイチ(MW:372.5)ないしニューロビオチン(MW:322.8)あるいは螢光色素ルシファーイエロー(MW:457.3)やレクチンPHA-L(MW:115k)を電気泳動的ないし圧力で注入し,樹状突起さらには軸索突起を詳細に描きだせるようになった。
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