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特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
特集によせて
著者: 沖垣達1
所属機関: 1重井医学研究所
ページ範囲:P.351 - P.352
文献購入ページに移動 この度,本誌の増大特集号として「研究室で役に立つ細胞株」が刊行されることになった。利用度の高い各種の培養細胞株について,必要にしてほぼ十分な資料が与えられている。それらは細胞株の樹立者,実験に使用している研究者,あるいは十分な知識をお持ちの方々の手になる「研究室で役に立つ」情報である。刊行の主旨を理解されて快く執筆の労をとられたすべての方々に,まず深甚の謝意を表したい。
多種の培養細胞株が,常に細胞銀行で保管され,またファックスで発注すると間もなく配達される時代になった。日本における最近の複数の細胞銀行の設立は,遺伝子銀行の必要性と同じ流れにあるが,実際には米国の専門団体American Type Culture Collectionを中心とする,品質的に均一な標準細胞株を整理し,保存し,供給するという活動に由来しているといってよい。したがって,細胞が商品化した今日では,株細胞ができるまでの歴史や手さぐりの時代の苦労話は,あまり話題にならなくなってしまっている。事実,研究者にとっては研究成果が重要で,過去に誰がどんな努力を払ったかなどの昔話は,やがて消えていく以外のなにものでもない。
多種の培養細胞株が,常に細胞銀行で保管され,またファックスで発注すると間もなく配達される時代になった。日本における最近の複数の細胞銀行の設立は,遺伝子銀行の必要性と同じ流れにあるが,実際には米国の専門団体American Type Culture Collectionを中心とする,品質的に均一な標準細胞株を整理し,保存し,供給するという活動に由来しているといってよい。したがって,細胞が商品化した今日では,株細胞ができるまでの歴史や手さぐりの時代の苦労話は,あまり話題にならなくなってしまっている。事実,研究者にとっては研究成果が重要で,過去に誰がどんな努力を払ったかなどの昔話は,やがて消えていく以外のなにものでもない。
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