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特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉 Ⅰ.上皮細胞株 皮膚系細胞 メラノーマ細胞
マウス:W1-4
著者: 竹内隆1
所属機関: 1三菱化成生命科学研究所哺乳発生
ページ範囲:P.358 - P.358
文献購入ページに移動 ■樹立の経緯
B16細胞はC57BL/6マウスで自然発症したメラノーマから樹立された株である。この細胞はマウスに皮下移植もしくは静脈注入することにより転移巣を形成することが知られ,転移研究に多く用いられてきた1-3)。筆者らはがん細胞の転移特性を細胞学的に明らかにする目的で様々の転移能を有するsubstrainを樹立した。W1-4はその一つでまったく転移能(尾静脈から細胞を注入,3週間後肺にできる転移巣の数で表した)を示さない。この性質はB16細胞ではきわめて珍しく,転移特性を解析するにあたり有意義な株と考えられる。樹立にあたっては,神戸大学医学部三島豊教授から供与されたB16細胞を親株とした。この細胞の低密度培養により単一細胞からなるコロニーを選択し,それぞれの転移能を測定した。その中で転移能をまったく示さなかったクローン(W1)から再びクローニングを行い,得られたクローン中で,再度,転移能を示さないことが確認されたのがW1-4である。
B16細胞はC57BL/6マウスで自然発症したメラノーマから樹立された株である。この細胞はマウスに皮下移植もしくは静脈注入することにより転移巣を形成することが知られ,転移研究に多く用いられてきた1-3)。筆者らはがん細胞の転移特性を細胞学的に明らかにする目的で様々の転移能を有するsubstrainを樹立した。W1-4はその一つでまったく転移能(尾静脈から細胞を注入,3週間後肺にできる転移巣の数で表した)を示さない。この性質はB16細胞ではきわめて珍しく,転移特性を解析するにあたり有意義な株と考えられる。樹立にあたっては,神戸大学医学部三島豊教授から供与されたB16細胞を親株とした。この細胞の低密度培養により単一細胞からなるコロニーを選択し,それぞれの転移能を測定した。その中で転移能をまったく示さなかったクローン(W1)から再びクローニングを行い,得られたクローン中で,再度,転移能を示さないことが確認されたのがW1-4である。
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