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文献概要
特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉 Ⅰ.上皮細胞株 皮膚系細胞 乳腺上皮細胞
ヒト乳癌:MCF-7
著者: 堀内龍也1
所属機関: 1群馬大学内分泌研究所薬学研究部
ページ範囲:P.363 - P.364
文献購入ページに移動 ■樹立の経緯
MCF-7は長期間分化機能を維持した乳癌細胞株では数少ない樹立成功例の一つである。Michigan Cancer FoundationのSouleらは69歳の白人女性(血液型O型,Rh+)転移性乳癌患者胸水浸出細胞をEagle's MEMに非必須アミノ酸と20μg/mlインスリン,20%仔ウシ血清を加えた培養液で週3回培養液を交換しながら培養し,4カ月後に血清濃度を10%に減らした。初代培養で浮遊している細胞を28日後に継代,以後25日間隔て浮遊細胞を継代した。途中から浮遊細胞を0.025%トリプシンで単離して継代を続けたところ,マクロファージや未分化細胞が除かれ,多角形の上皮細胞様の形態をした細胞が増殖した。1年間トリプシンを用いて継代を繰り返し,安定なMCF-7細胞株を樹立した1)。名前は樹立した研究所名に由来する。
MCF-7は長期間分化機能を維持した乳癌細胞株では数少ない樹立成功例の一つである。Michigan Cancer FoundationのSouleらは69歳の白人女性(血液型O型,Rh+)転移性乳癌患者胸水浸出細胞をEagle's MEMに非必須アミノ酸と20μg/mlインスリン,20%仔ウシ血清を加えた培養液で週3回培養液を交換しながら培養し,4カ月後に血清濃度を10%に減らした。初代培養で浮遊している細胞を28日後に継代,以後25日間隔て浮遊細胞を継代した。途中から浮遊細胞を0.025%トリプシンで単離して継代を続けたところ,マクロファージや未分化細胞が除かれ,多角形の上皮細胞様の形態をした細胞が増殖した。1年間トリプシンを用いて継代を繰り返し,安定なMCF-7細胞株を樹立した1)。名前は樹立した研究所名に由来する。
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