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特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉 Ⅰ.上皮細胞株 消化器系上皮細胞 唾液腺細胞
ヒト唾液腺癌:HSG
著者: 白砂兼光1
所属機関: 1大阪大学歯学部口腔外科第一講座
ページ範囲:P.393 - P.393
文献購入ページに移動 ■樹立の経緯
HSGはヒト顎下腺から組織片培養法を用いてShirasunaらによって1980年に樹立された。顎下腺組織片を10%仔ウシ血清を含むEagleのMEMで培養すると,組織片から上皮細胞が集団をなして増殖した。この上皮細胞は軟寒天中でコロニーを形成したので,そのコロニーから細胞を分離し,Human Submandibular Gland(HSG)細胞と名づけた1)。HSGをヌードマウスに移植したところ梁状腺癌を形成した。培養に用いた顎下腺は組織学的に正常像を示したが口底癌治療のため,コバルト60を顎下部に照射された患者から得たものである。放射線によって癌化のinitiation stageにある唾液腺細胞がin vitroでトランスフォームしたものと推察される。
HSGはヒト顎下腺から組織片培養法を用いてShirasunaらによって1980年に樹立された。顎下腺組織片を10%仔ウシ血清を含むEagleのMEMで培養すると,組織片から上皮細胞が集団をなして増殖した。この上皮細胞は軟寒天中でコロニーを形成したので,そのコロニーから細胞を分離し,Human Submandibular Gland(HSG)細胞と名づけた1)。HSGをヌードマウスに移植したところ梁状腺癌を形成した。培養に用いた顎下腺は組織学的に正常像を示したが口底癌治療のため,コバルト60を顎下部に照射された患者から得たものである。放射線によって癌化のinitiation stageにある唾液腺細胞がin vitroでトランスフォームしたものと推察される。
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