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文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻5号

1992年10月発行

文献概要

特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉 Ⅱ.内分泌腺細胞株 甲状腺細胞

ラット:FRTL-5

著者: 堀内龍也1

所属機関: 1群馬大学内分泌研究所薬学研究部

ページ範囲:P.427 - P.427

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 ■樹立の経緯
 甲状腺は濾胞構造を機能単位としており,濾胞を構成する上皮細胞は,形態的にも機能的にも明確な極性をもっている。そのために分化機能を維持した安定な細胞株の樹立は難しかった。FRTL-5はラット正常甲状腺から樹立され,分化機能を維持している貴重な細胞株である。Ambesi-Impiombatoらは,正常5~6週齢Fischerラットの細切甲状腺をコラゲナーゼとトリプシンで消化した後,ピベッティングにより細胞を単離して104~105cells/10cm Falcon dishに播いて培養した。生じた上皮細胞のコロニーをクローニングシリンダーを用いて継代した。培養液を種々検討した結果,Ham's F-12の変法であるmF 12に6種のホルモン〔10μg/ml insulin,10nM hydrocortisone,5μg/ml transferrin,10ng/mlglycyl-L-histidyl-L-lysine acetate,10ng/ml somatostatin,10mU/ml thyrotropin(TSH)〕を加えた培養液(mF12+6H)を基本培養夜とし,これに0.5%という低濃度の仔ウシ血清を加えて培養した。この方法により線維芽細胞の増殖を押さえることができ,しかも上皮細胞は濾胞構造を再構成し,機能的にも甲状腺細胞としての分化機能をよく維持することができた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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