icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻5号

1992年10月発行

文献概要

特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉 Ⅲ.間葉系細胞株 線維芽細胞

マウス:3T3

著者: 梅田誠1

所属機関: 1横浜市立大学木原生物学研究所

ページ範囲:P.439 - P.440

文献購入ページに移動
 ■樹立の経緯
 TodaroとGreen1)はマウス胎児線維芽細胞を厳密な継代スケジュールで培養したところ,しばらく増えたあと増殖率がおちたが,以後回復してほとんどすべての培養で3ヵ月以内に細胞株として樹立できることを示した。このとき,60mm径シャーレに3日毎の継代(Transfer)で,3×105個の細胞の植え込みを行ったもの(3T3)は,著しい増殖の接触阻害現象を示した。3日毎の継代で,6×105個あるいは12×105個の細胞を植え込んだもの(3T6または3T12)は明らかに悪性化していた(トランスフォーム細胞の項参照)。
 上の実験は雑系Swissマウスを用いて行われたので,その後純系マウスのBALB/cマウス2,3)あるいはNIH Swissマウス4)を用いて同様の試みが行われ,それぞれで増殖の接触阻害を示す細胞株が樹立された。最初のものがSwiss/3T3,以後のものがそれぞれBALB/3T3,NIH/3T3と名付けられている。BALB/3T3細胞で良く使用されているものは原株からクローニングされたA31株,さらにそれからトランスフォーメーションに感受性の細胞としてクローニングされたA31-1-1株5)である。NIH/3T3細胞も実験に適したクローンが使用されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?