文献詳細
特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅲ.間葉系細胞株 線維芽細胞
文献概要
■樹立の経緯
FordとYerganianによって,細胞の変化(トランスフォーメーション)と染色体の変化の関係を明らかにする目的で,若い健康な雄のチャイニーズハムスター(Chinese hamster,Circetulus griseus)の肺組織から細胞株の樹立が試みられた。1958年,細胞が正常に近く2倍体(染色体数=22本)の細胞株が,A株から始まりV株目で初めて成功した。筆者の恩師である放射線生物学者のElkind博士がFordからこのV株を1958年の12月に譲り受けて,彼の実験番号79でクローニングしてV79-1,V79-2等と名付けた。1960年の最初の論文1)には,V79-1,という命名になっているが,その後は,この細胞しか使用しなかったので,この-1を除いてV79細胞としたとのことである。ただし,この論文に雌のチャイニーズハムスターの肺組織からとなっているのは誤り。
この細胞の一部は細胞遺伝学者のChu博士にわたり,その後,この2人の学者を通じて世界中に分与されたことから大きく分けると2種類のV79があることになる。
FordとYerganianによって,細胞の変化(トランスフォーメーション)と染色体の変化の関係を明らかにする目的で,若い健康な雄のチャイニーズハムスター(Chinese hamster,Circetulus griseus)の肺組織から細胞株の樹立が試みられた。1958年,細胞が正常に近く2倍体(染色体数=22本)の細胞株が,A株から始まりV株目で初めて成功した。筆者の恩師である放射線生物学者のElkind博士がFordからこのV株を1958年の12月に譲り受けて,彼の実験番号79でクローニングしてV79-1,V79-2等と名付けた。1960年の最初の論文1)には,V79-1,という命名になっているが,その後は,この細胞しか使用しなかったので,この-1を除いてV79細胞としたとのことである。ただし,この論文に雌のチャイニーズハムスターの肺組織からとなっているのは誤り。
この細胞の一部は細胞遺伝学者のChu博士にわたり,その後,この2人の学者を通じて世界中に分与されたことから大きく分けると2種類のV79があることになる。
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