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文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻5号

1992年10月発行

文献概要

特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉 Ⅲ.間葉系細胞株 骨細胞

ヒト骨肉腫:HOS

著者: 細井孝之1 大内尉義1 折茂肇1

所属機関: 1東京大学医学部老年病学教室

ページ範囲:P.461 - P.461

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 ■樹立の経緯
 HOSとはhuman osteosarcomaの頭文字をとったものであり,文字どおりヒトの骨肉腫由来の細胞株である。
 この細胞株は1971年McAllisterらによってその樹立が報告された1)。その由来は,13歳白人女児の大腿骨遠位端に発生した骨肉腫であり,この細胞株は病変部の生検サンプルをもとに樹立された。患児は下肢の外科的切断,放射線療法,化学療法にもかかわらず生検の約3ヵ月後に死亡している。剖検はなされていない。切断された下肢には生検で得られた標本と同様の病理所見をもつ腫瘍が確認された。腫瘍細胞はしばしば複数の核小体を包含し,濃染する核を持つ紡錘形もしくは多角形の細胞であった。病理組織上はosteogenic sarcomaに特徴的な石灰化を伴った骨基質,類骨組織,線維性および血管性の間質が混在した所見を呈していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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