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文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻5号

1992年10月発行

特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉

Ⅲ.間葉系細胞株 白血球系細胞 単球・マクロファージ

ヒト組織球性リンパ腫:U-937

著者: 簑和田潤1

所属機関: 1林原生物化学研究所・藤崎細胞センター

ページ範囲:P.480 - P.480

文献概要

 ■樹立の経緯
 1974年,37歳男子のdiffuse histiocytic lymphomaの腫瘍性胸水約1,000mlから遠心沈殿により分離した細胞を用いた。初期の培養は細胞を器官培養のグリッド上に沈着せしめ,ペトリ皿の中でHamの培地F-10と10%新生児子ウシ血清,100u/ml penicillin,50μg/ml streptomycin,1.25μg/ml amphotericin Bを含む培養液中で,5%CO2,37℃で行った。さらにこの初期の培養は,adultのallogenic skin fibroblastのfeeder培養細胞とともに培養するか,またはグリア細胞株,U-787CG,肉腫細胞株,U-2OSの培養液の添加を腫瘍細胞増殖に必要とした。培養の目的は,ヒト白血病細胞株の研究成果が多大の貢献をしているが,ヒトリンパ腫の培養株はごく限られていた。そこでDr. Nilsson(Uppsala,Sweden)らが,リンパ腫細胞株の樹立を試みた。このリンパ腫培養は,feeder培養細胞の存在下約7週間で樹立された1)。継代培養は,浮遊細胞でエレンマイヤーフラスコまたはペトリ皿で行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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