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文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻5号

1992年10月発行

特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉

Ⅲ.間葉系細胞株 白血球系細胞 単球・マクロファージ

ヒト白血病:OCI/AML 1a

著者: 奈良信雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.481 - P.481

文献概要

 ■樹立の経緯
 OCI/AML1a細胞株は,顆粒球コロニー刺激因子(C-CSF)に依存性に増殖する白血病細胞株として,奈良により樹立された1,2)
 1984年,当時オンタリオ癌研究所(Ontario Cancer Institute:OCI)に留学中の奈良は,急性骨髄単球性白血病(FAB分類AML M 4)患者の末梢血液から分離した白血病細胞をヒト膀胱癌細胞株5637の培養上清(5637-CM)を増殖因子として含む20%ウシ胎児血清加α培養液中で継代培養し,長期間にわたって指数関数的に増殖する細胞株をOCI/AML1として樹立した3)。OCI/AML1細胞株は,時として増殖能が低下することがあった。5637-CMには,G-CSFの他,顆粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF),インターロイキン1α(IL-1α)などが含まれている。OCI/AML1細胞は,AML M4白血病に由来するため,GM-CSF,IL-1αなどに反応して単球系細胞へ分化し,増殖能が低下すると考えられた。そこで,5637-CMに代えてG-CSFの存在下で継代培養を繰り返したところ,6年以上にわたって増殖しているOCI/AML 1a細胞株を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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