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文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻5号

1992年10月発行

文献概要

特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉 Ⅴ.神経系細胞株 神経細胞 神経細胞

マウス:NPC-2

著者: 友岡康弘1

所属機関: 1理化学研究所ライフサイエンス筑波研究センター

ページ範囲:P.504 - P.504

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 ■樹立の経緯・培養条件
 近年神経科学が盛んになり,とくに中枢神経系の発生および老化に関する関心が集まっている。生体内で,中枢神経系ほど複雑な組織はない。そのような組織を研究対象とする場合,in vitroで適切なモデル系を持つことが重要である。従来からいくつかのneuroblastomaやPC-12といった株細胞がin vitroにおける神経科学の系もしくは材料として用いられてきた。しかしこれらの株のほとんどが末梢神経由来(PC-12は副腎髄質由来)である。したがって中枢神経系に関する問題を志向する場合,これらの株細胞を用いることには自ずから限界がある。
 NPC-2は10日目のマウス(ICR,日本チャールズリバー)胎仔頭部から分離した神経管を構成する細胞1)(中枢神経系幹細胞)にc-myc2)を導入して樹立された株細胞である。NPC(neural precursor cellの略)-2はNeo耐性遺伝子をマーカーとして単離された株の一つである(友岡ら,未発表)。中枢神経系発生の研究を始めるにあたり,従来から利用されてきた末梢神経系由来のmyosinやPC-12に替る株細胞を目ざして樹立された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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